高知東ロータリークラブ運営方針
ロータリアンになろう
高知東ロータリークラブ
2022-2023年度
会 長 浦田 健治
ロータリークラブといえば世間的には規模の大きないわゆる「ボランティア団体」と思われているように感じます。確かに昨今の国際ロータリー(RI)の発信するホームページ等の情報を見る限り、世間のみならず、多くのロータリークラブ会員もその認識をもって入会し、社会奉仕活動や人道活動にいそしんでいるのが実態でしょう。
国際ロータリーのホームページでは「ロータリーとは」との表題の下、次のような説明文が掲載されています。
「1905 年にシカゴで創設されたロータリーでは、110年以上、さまざまな職業をもつ人や市民のリーダーが「世界を変える行動人」となり、その経験と知識を生かして社会奉仕活動や人道的活動に取り組んできました。識字率向上、平和構築、水と衛生の改善など、幅広い分野で持続可能な影響をもたらすために、ロータリーの会員は毎日、世界のどこかで活動しています。」
この文章を素直に読めば多くの人はロータリー活動とは創設以来一貫してボランティア活動がメインなのだなと思うでしょう。しかし一方でロータリーに造詣の深いロータリアン達にこの文章に対する意見を聞けば相当異論が出てくるのではないでしょうか。
110年以上かけて世界中に普及し、ロータリーは稀にみる巨大な団体になりました。樹木に例えれば大いなる巨木です。しかしこの巨木に生い茂ったボランティアの枝葉に覆い隠されて見えない太い幹や地中の大きな根っこに当たるロータリー特有の「職業奉仕」に対する記載がほとんど見当たらなくなってきたことは本当に残念なことです。
社会奉仕活動や人道活動に励むことのできる余裕のある会員の経営する企業の安定はいつ、誰からもたらされたものでしょうか。
ロータリーの歴史を能く学んだロータリアンは、シェルドンやガイ・ガンディカーその他偉大なロータリアンによってService=「職業奉仕」というロータリー独自の優れた思想が形成され、その思想を胸に各ロータリアンが自身の事業の発展に努力し成功に漕ぎつけたことを知っています。その歴史の中でロータリーの「2つのモットー」が生まれ、また「四つのテスト」の標語なども普及しロータリー独自の文化の象徴となったのです。
また、ロータリー活動のもうひとつの柱としての社会奉仕活動について触れますと、ロータリー創立後、活発な議論や解釈を重ねた末にライオンズクラブの「We Serve」と対比して原則「I Serve」=「社会奉仕は個人奉仕として取り組むべきである」とされてきました。しかし時がたつにつれて今やロータリーでいう社会奉仕と他の団体のいう奉仕活動と混同されてしまったようで残念に思います。
さて、私と鬼田さんが今年一年間、伝統ある高知東ロータリークラブの会長幹事を務めさせていただくにあたり、会員皆様のお役に立つには何をすべきであろうかと考えました。
コロナ禍や諸々相次いだ逆風を経て、今ロータリークラブに求められるのはロータリーの真の主役である各会員の様々な意味での実力アップに少しでも寄与することが肝要であると思い至った次第です。すなわち、ただのロータリー会員から「ロータリアンになろう」ということです。
そこで、本年度の運営重点項目として以下の4点にまとめてみました。
1.親睦
せっかく異業種の一国一城の人々が集うのですから遠慮し合っていては意味がありません。遠慮のない熱い議論も大いに戦わせるべきでしょう。しかし間違っても無益な諍いをしてはいけません。その為にも日ごろから互いに気心が通じ合っていることが肝要です。遊んだり飲み食いしたり議論したり大いに楽しもうではありませんか。
2.例会の充実
ロータリアンとして毎週一回例会に出席して貴重な時間を共にする以上、例会会場から何かを持ち帰ってもらわなければなりませんから、その日テーブルを囲むロータリアン同士の親睦と、毎回の興味深い卓話が欠かせません。
3.委員会活動
ロータリアンは、委員会で委員として知恵と労力を費やす以上その労に対し報われなければなりません。事業計画を委員全員で全うしようとする過程で自然と親睦も生まれ相互に影響し合うことが期待されます。
4.ロータリーの歴史を学ぶ
まっさらの会員がロータリーを楽しみつつ本来の職業奉仕にいそしむ真の「ロータリアン」になるためには、ロータリーならではの文化を学ぶ必要があります。時に先輩が後輩に言うところの「そのうちわかる」ではおそらく間に合いません。
会員になって間もない人、これから会員になる人に、先人の偉大なロータリアンがどのような言葉や足跡を残してくれたかを伝える努力を互いにすべきであると考えます。私も会長挨拶時には切れ切れにはなるでしょうが、できるだけ盛り込んでいきます。
以上、微力とは存じますが、皆様の御指導、御鞭撻を頂きたく、何卒宜しくお願い申し上げます。